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「冬香さんと僕。」#18

マクロスFが楽しくてなりません。

■LRさん
サイズについては部外秘という事で……。
雪也は自分の家庭の事情については、殆どの人に話していません。
学校の教師と、バイト先くらいだったりします。

■風見鶏さん
暴走特急は誰にも止められないのですが、自分自身が悶絶するのが問題です。

■kenpさん
モラトリアム万歳です。
話の進度については、ちょっとこっから加速します。

/18

 ぐったりとしたまま、雪也は朝を迎えた。
 彼の上には、ブラウス一枚の冬香と椛がしがみついたまま、すうすうと寝息を立てている。ブラウスはボタンがほとんど外れており、下着と、それに包まれたふくらみが丸見えになっている。
「……ようやく朝か」
 まんじりともしなかったのか、目が真っ赤に充血したまま、雪也は呟いた。

  †  †  †

「ちょ、え? なんの冗談!? ゾンビ映画!?」
 逃げ出そうとした雪也を押さえつけた冬香と椛は、二人がかりで雪也を押し倒した。長時間の正座で足が痺れかけていたうえに、二人がかりではいくら相手が女性でも、雪也には抗いきれない。
「いや冬香さん、脱がないで! 椛さんも!?」
 床に押し倒された雪也の上で、二人が艶かしい笑みを浮かべてシャツブラウスのボタンを外していく。白い生地の間からのぞいたアルコールで火照ったピンク色の肌と、それを包むレースの塊に思わず唾を飲み込んだ。
 そんな雪也の反応に気をよくしたのか、二人はスカートのホックを外して脱ぎ捨てて、さらに雪也にべったりと絡みついた。冬香が雪也の手を掴むと、そのまま胸元へと引っ張っていく。むに、とけしからん擬音が頭に浮かんだ。もう片方の手も同じように椛が引っ張っていき、ふに、とニュアンスの違う擬音が頭に響く。
 心臓が爆発しそうになり、頭の奥の血管がばっくんばっくんと音を立てているのが聞こえた。冬香が満足げに雪也の手を数回自分に押し付けて、尋ねた。
「どう、雪くん」
「ど、どうと仰いますと?」
「これくらいのサイズのほうが、魅力的でしょう?」
 左右から冬香と椛に囁かれ、雪也の顔が真っ赤になる。
「そ、ソーデスネ! ミリョクテキデス! ワカリマシタ!」
 裏返った声が我ながら情けないが、それ以上に現在の自分が危険なことに雪也は気付いていた。ぶっちゃけると理性がヤバイ。柔らかかったり温かかったり良い匂いがしたりしっとりとしていたり。それは全部、男という存在とは対極にある代物だ。
「だ、だからそろそろ放していただけないでしょーか!?」
「……むー。なんか雪くん、反応が適当」
「その場凌ぎの回答は、結果的に自分のためにならないわよ。雪也君」
「なんでそこだけ教育者っぽい発言を!?」
 不満そうに唸り、一向に離れる気配の無い二人に、雪也が悲鳴を上げる。
「雪くん。不純異性交遊はいけないと思うの」
「学生は学生らしく、まず勉学に勤しみなさい」
「……この状況でそれを仰いますか」
 片足、片腕をそれぞれ押さえつけられ、まったく身動きができない。ストッキング越しの太ももの感触だとかが無理やり知覚させられ、雪也は不随意な部分が不随意に反応し始めているのを治めようと、必死に意識を逸らそうとしていた。
 とはいえ所詮は不随意である。密着する感触は意識を逸らそうと、忘れられるものではない。
「……そういえば、雪くん。キスしたことあるの?」
「なーいーでーすー! もう放して下さいよ!」
「そなんだ。無いんだ」
「聞いてー! 人の話ー!」
 満足そうに笑う冬香は、多分雪也の発言の50%しか聞いてない。主に自分から離れろという発言は綺麗にオミットしているようだった。
「……無いんだ。てっきり経験あると思ってたわ」
「椛さんまで……」
 さらに、椛も意外そうに自分を見ていた。
「だーって、雪くん。いっつも余裕見せるじゃないのよう」
「あんまり興味なさそうな顔してたし」
「……できれば、男の子の見栄なんかも理解して下さい」
 見栄?と冬香は呟き、それからニヤニヤと笑い出した。
「見栄なんだ」
「見栄なんです」
 疲れ切ったように雪也が嘆息しつつ、首肯する。とりあえずこの状況から開放されるなら、なんでも頷こうというくらいの気分になっていた。
「なので、そろそろ放して下さい」
「やー」
「やーって、あなた何歳ですか」
「先輩と違ってまだ二十代だもーん」
「もーん、って」
 呆れ声が思わず上がる。あと、冬香の年齢から計算すれば椛もまだ二十代のはずだ。そこで気付いた。
 なんだか、もう片方がとても静かだ。
「椛さん? あの、気が済んだのなら放して……」
 そこで見たのは、すうすうと寝息を立てている宮川椛だった。しがみつくようにというより、絡み付いている。正直、足と腕が動かせない。両足で腕と足が挟まれているらしい。動かそうとすると、色々なところに当たってしまう。ためしに手を動かそうとしたら、ものすごく熱かったりする場所に当たった。
「……ン」
 ピクリと身体を震わせた椛は、小さく艶かしい吐息を漏らした。
「モミジサーン!?」
 思わず悲鳴を上げるが、椛が目を覚ます様子は無い。かと思うと、冬香が抱きつく力がさらに込められた。
「冬香さん、だから放して……って」
 慌てて振り返れば、冬香も目を閉じて同じように、すうすうと寝息を立てていた。
 寒いのか、二人とも自分に力をこめてしがみついている。ボタンの開いたブラウスの間から、柔肌が思い切り自分に押し付けられていた。
「……ちょ、起きてくださいよ! ねえ!? 風邪引きますよ!?」
 んうー、と唸って冬香が思い切り雪也の腕を抱え込んだ。
 両足ではさむように足と手を押さえ込まれ、頭が胸元に乗せられる。
「いや、二人とも!? マジで起きて下さいって!」
 バタバタと身体を揺すっても、さっぱり動かない。暫くの挑戦の末、雪也は疲れきって諦めた。朝になれば、二人とも目を覚ますだろう。恐らくシラフで。
 その時に、この状況は多分猛烈にマズイという予感はするが、最早雪也にはどうする事もできなかった。

  †  †  †

 その後はもう、ひたすらに動かないように務めた。眠れればよかったのだろうが、果たしてそんな真似が出来るはずも無い。二人が身動ぎするたびにあちこちが身体に触れ、吐息が喉元をくすぐるのだ。
「……んむ……ひゅきくん」
 寝言でまで自分の名を呼んでくれる義姉が、もぞもぞと動き出した。
 ぼーっとした顔でまぶたを半分ほど上げ、自分の目の前にある椛の顔を見ている。
「せんぱい……?」
 なんでそこに椛の顔があるのかが分からないのか、怪訝そうな顔をしている。さらに自分が何かに抱きついていることに気が付いたのか、自分が枕にしているものに意識が向いたらしい。
「……っ!?」
 途端、冬香の顔が真っ赤になった。
「雪くん!?」
「……おはようございます」
 疲れ切った雪也の声に、冬香が慌てて身体を離し――そして大慌てで後ろを向いた。
「な、なんで私、こんな……っ!?」
 ボタンをはめているのか、もぞもぞと動いているのを横目に、雪也はため息を深く深く吐いた。
「椛さん、起きてください。椛さんってば」
 ようやく自由になった片腕で、椛の肩を揺する。
 ずれた眼鏡がぺたりと顔から落ちる。
「椛さーん」
「……ん」
 煩わしそうに眉を寄せた椛が、さらに雪也にしがみつく。
「ああー! 先輩なにしてるんですかっ!」
 ようやくボタンをはめ終えたらしい冬香の怒声に、椛がようやく目を開けた。
「……うるさいわね」
 眼鏡が無いことに気付いたのか、目を細めたままで自分が枕にしていたものを確かめた椛は、それがなんであるかに気が付いたようだった。
「ゆ、雪也君!?」
 がばっと雪也から飛び退いた椛は、さらに唖然とした。
 自分のブラウスの前が全開になっていることに気付けば、当然である。
「キャ、キャアア! な、ななな、何が!? え!?」
「い、いーから先輩、早く隠してください!」
 転がっていた椛のスカートを投げつけた冬香の声に、椛も慌てて背を向けてボタンをはめ始める。
 ようやく全身が開放された雪也は、それでもしばらくは動けなかった。

「あの、雪也君。……その、私、どうして……?」
 ようやく身体を起こしてストレッチしていた雪也に、身繕いを整えたらしい椛が、顔を真っ赤にして向き直った。まあ、下着姿で抱きついて寝ていたのだから当然の反応かも知れない。しかも相手は担任している生徒である。
「覚えてないんですか?」
「……冬香と一緒にここに来た事までは、覚えてるんだけど」
「あ、私もー」
 ぴらぴらと手を挙げて振っている冬香と、困惑と羞恥のせいか俯きがちの椛に、雪也は深々とため息を吐いた。
「あの……、もしかして、しちゃった……とか?」
 ちらりと上目遣いで雪也を覗った椛に、雪也はこれ見よがしにため息を吐いた。
「そうだとしたら、どうするつもりなんですか?」
 びくん、と肩が震えた。俯いた椛は、暫しそのまま肩を震わせている。
 さすがに言い過ぎたかと、雪也が口を開こうとした刹那。椛が、がばりと雪也の手を取った。
「――っ。あ、あの」
 指を絡ませ、しっかりと握り締める。
 頬どころか耳まで熟れた林檎のように赤く染まっている。ずれ落ちそうな眼鏡を直すことすらせずに、椛は言い放った。
「け、けけけ、結婚、しましょう!」
 シン、と無音が部屋中に広がる。圧力でもあるようなそれは、外を通る車の音でようやく破られた。
「――はぁ?」
 そして呪縛が解けたかのように、雪也と冬香は思わずそう叫んだ。

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コメント

俺はこれが楽しくてなりません(笑)

投稿 | 2008年5月17日 (土) 15時38分

 吹いた。椛さん暴走しすぎ。次が楽しみでなりません。

投稿 薙 | 2008年5月17日 (土) 19時27分

椛さん、想像以上の暴走っぷりでしたw
冬香さんの巻き返しはどこまで来るのか?

続き、更に楽しみにしてお待ちしております。

投稿 風見鶏 | 2008年5月18日 (日) 01時53分

雪也君、よく耐えた。君の理性に乾杯だ。
椛さんの眼鏡っ娘描写が見事でした。でも冬香さんも眼鏡をしている事を忘れないで下さい。
 あと、引きが週刊雑誌的で次週はまだか?と思ってしまいます。
 そして今週は特にそれが強いです。次週を妄想してしまう。椛さんの最後の台詞、これって最初の話で…と、言うことは返す台詞も…えっと、まぁ、続き楽しみにしてます。

投稿 LR | 2008年5月19日 (月) 02時17分

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